遺贈とは、遺言書を以って財産を受遺者に対して無償譲与することをいいます。この遺贈に基づき遺産を承継することとなる受遺者はいつでも遺産の放棄をすることができます(民法986条1項)。ただ、遺贈の承認及び放棄の撤回をすることはできません(同法989条1項)。
また、遺贈には二つの方法があります。一つは、遺産の全部または一定の割合を遺贈する包括遺贈であり、もう一つは具体的な財産を遺贈する特定遺贈があります。後述するように、この二つの遺贈は遺贈に対する税金の計算方法がそれぞれ異なることがあります。
このような性質を持つ遺贈は、遺言者が生前に財産を贈与する生前贈与に似ています。しかしながら、税金の計算の仕方が特殊です。まずは遺贈には相続税がかかります。相続税がかかる資産の基本的な計算方法は、
課税価格の合計額-(3000万円+法定相続人数×600万円)
です。これで、0以下になる場合は相続税がかかりません。
相続税がかかる資産に、法定相続分の割合をかけた額により、相続税が異なります。例えば、配偶者が相続税がかかる資産が1800万円のものを子と受遺した場合には、法定相続分の1/2である900万円の1割である90万円が相続税となります(子も同様に90万円)。しかし、受遺者が遺言者の配偶者、親、子(子がいない場合は、代襲相続人である孫)以外である場合には、これに加えて相続税が2割増しになります。
また、受贈には相続税以外にも税金がかかります。まずは登録免許税です。これは不動産の所有権移転登記に際してかかるものです。法定相続人が受遺したか、第三者が受遺したかにより課税率は異なります。
また、不動産取得税も課せられることがあります。これは法定相続人ではない第三者に不動産を特定遺贈した場合に発生します。
山﨑会計事務所は確定相続税・事業承継に関するご相談を受け付けております。まずはお気軽にお問い合わせください。
遺贈にかかる税金の計算方法
山﨑会計事務所が提供する基礎知識
-
決算の流れ
決算は、領収書や請求書などの証憑書類の整理からはじまります。 証憑書類に加えて、通帳のコピーなども手元...
-
新宿区の相続税は山﨑会...
相続税とは、被相続人が所有している資産等を親族等の相続人に渡すこと(相続)によって起こる税金です。相続...
-
みなし相続財産
みなし相続財産とは、相続財産以外のものでありながら、相続財産とみなされ相続税の課税対象となるものをいい...
-
節税を成功させるために
決算対策のために特別償却を行ったり、月次決算の度に財務状況を確認する経営者の方は大勢いらっしゃるかと思...
-
個人事業主が不動産投資...
近年では老後2000万円問題も議論され、投資を検討する方も少なくありません。 投資をする中で気にかかる...
-
遺産に係る基礎控除額
相続税は、相続額が控除額を超えた時に発生する税金です。すなわち、相続財産が控除額に満たない場合、相続税...
-
税金対策
税金対策は、税理士の十八番です。特に、税金対策には最新の税制を理解しておく必要があるため、専門家であ...
-
社内承継
社内承継は、優秀な人材を選ぶことができ、また、後継者が社内の状況を当初から熟知しているため育成しなくて...
-
副業の確定申告
最近ではサラリーマンの方でも副業を行い、確定申告を行うケースが増えてきています。 副業の確定申告で押さ...